最近では女性エンジニアを採用する企業も増えています。「女は機械に弱い」という時代は終わり、女性でも好きを活かしてエンジニアとして活躍できる場が広がってきているのです。しかし、エンジニアという仕事は元々男性により開拓されてきた分野という歴史がある分、実際に働いてみると女性ならではの疑問を抱く人もいるのです。声に出して言えない女性エンジニアの本音に迫ります。
女性は結婚・出産という大きな転機を迎えます。エンジニアは男性社会が基盤の為に、妊娠してしまうと体力的にも男性と全く同じに働く訳にはいかず、かといって妊娠中の女性の為の時短などという規則がないのが特徴です。臨月まで男性と同じ条件で残業をすることは当然で、出産をするならば退職するということが当然という考え方をしている職場も多くあります。「男女差別」に悩む女性とは裏腹に、「女性への理解」を求める声も多いのが現状です。
エンジニアの仕事は非常に地味で根気のいる作業です。その日のうちに完結させるプロジェクトというのは殆どなく、長期間に渡り続くものですので、自分でけじめをつけないといつまでも残業をすることになります。男性社会の名残として残業する人を評価するという風潮はまだ多くの職場にあり、朝から仕事を上手くこなして夜は定時に切り上げて帰宅できるようにするという女性の努力は評価されないものです。「残業しないからヒマ」「どうせ女性だから腰掛けだろう」という目で見られることに不満を感じている女性もいるのです。
女性が男性の多い職場で働くとどうしても起こるセクハラ問題。最近では女性エンジニアにも影響が及んでいるようです。ITが趣味の男性の中にはアニメキャラ愛好家も多く、セクシーアニメキャラの画像や水着女性のカレンダーをデスク周辺に飾る男性もいるのです。直接自分に被害はなくても精神的に辛いと感じる女性もいるでしょう。更には褒めているつもりか「女性の方が得意だから」とお茶くみや掃除を任せている職場もあります。高いお給料を貰っている女性に雑用をさせるのは会社の損失であると考えて欲しいものですね。
折角女性エンジニアとして優秀な人材でも、結婚・出産で男性と同じ条件での勤務が難しくなり、会社を辞めていくことが多くなっています。その後は派遣などで仕事に復帰することはできますが、キャリアアップには繋がりません。目標となるべき先輩女性が頭打ちになってしまうことで、自分のキャリアプランがイメージできずに悩んでいる人もいます。業界としても「家庭と仕事の両立ができる女性エンジニアの教育」に力を入れる時期が来ていると言えます。